出会いは突然にやってくる

 「色別対抗■■ウォークラリー開催!」

私がウォーキングを始めるきっかけとなったそのポスターは、
職場のトイレの個室の扉に貼られていました。

それはコロナ過中、一時的に在宅ワークが緩和され久しぶりに出勤していた、
暦の上ではもう冬なのに、信じ難いほど残暑が厳しいトイレの中で出会いました。

お客様の会社主催のウォーキングイベントでした。
参加することはないだろうなぁと個室を後にしましたが、トイレ休憩のたびに
何故だかポスターを眺めている自分がいました。

そんなある日、同じ職場で働いているYさんからランチに誘われ
落ち着いた雰囲気の店内で、長く続いた在宅期間中のお互いの近況を話していた時に
何気なく件のポスターを話題に出してみところ、Yさんも実は気になっていたと言い
お店を出る時にはウォークラリーに参加申込をすることが決まっていました。

普段から抜群の行動力をもつYさん、私は無意識に彼女に何かを期待していたのかも知れません。
とは言えお互いにウォーキング初心者だったこと、参加にはチームを作って申込が必要だったので
作成会議をして参加者を増やすことにしました。

私の方は、以前に同じ職場で働いていたKさんにダメ元で声を掛けてみると、
まさかのオーケーいただきました。
断られても仕方ないと思っていたのでとても嬉しかったのを覚えています。

Yさんは、同じく職場で一緒に働いているAさんからオーケーをもらっていました。
Aさんは普段から各地のウォーク、マラソンに参加する猛者さんでしたので
作戦会議で目を付けていま…お願いしてみようと決めていました。
実はAさんもウォークラリーの事はご存知だったみたいで快諾での参加となりました。

これで4名参加によるウォークラリーチーム結成です。
Yさん、Aさん、私は同じ職場で働く仲間と言いつつ普段の仕事ではほとんど関わり合いがなく
Kさんに至っては元・同じ職場で働いていた仲間という異色のチームです。

私は不安でいっぱいでした。
果たして完歩できるのか。
ウォーキングするのに何を着れば良いのかすら分からず悩み、
そもそも運動服も靴も持っていない私でした。

当日のウォークラリーコースは、チームごとに好きなチェックポイントを回って時間内にゴールする、というもの。
Aさんがチームメンバの日頃の運動量を考慮しつつウォーク中の景観も楽めるような
Aさんの心配りがふんだんに詰め込まれたコースを考えてくれました。
 ~シェフのおまかせウォークラリーコース 晩秋の旬な街並みを添えて~

迎えた当日、事前に決めたコースを順調に巡り、制限時間までまだ余裕があると
Aさんからの提案で、追加でチェックポイントをもう1つクリアすることもできました。
無事に制限時間いっぱいでゴールもでき、当初の計画より約4kmも多く歩くという結果に。
ウォーキング初心者軍団の挑戦は上出来、大成功でした。

チーム全員が興奮と空腹を抱えたまま打ち上げと称して中華料理チェーン店になだれ込み、
その時に食べた餃子は格別でした。
お腹が満たされた後もアドレナリンやドーパミンが分泌され続けていた様で
その場で次回ウォーキング計画が立ち上がりました。勢いってすごい。

私のウォーキング物語が動き始めた、すぐそこに冬暁のきざしがありました。

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